大西結花さん × 社長対談
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大西:

はじめまして。社長対談のゲストに選んでいただいてとても嬉しいです。私、ブティックオーサキの靴が大好きで、明治通り沿いにあったお店には何度かお伺いしていたんですよ。大崎:
ありがとうございます。お客様リストに結花さんのお名前がありましたので存じ上げております。
当時のお店ではお話をしていないんですが、実は「はじめまして」ではないんですよ。そのご縁もあって今回の対談のお相手に選ばせていただきました。
大西:
そうでしたか。。。 そう言われてみると、どこかでお会いしているような気がしていたのですが、どちらででしたっけ?大崎:
2000年頃ですけど、私が以前より親しくしている役者さんが主演を務めたVシネマの完成披露パーティーの二次会です。余興の「じゃんけん大会」で、何故か私が優勝してしまったのですが、その座席の近くに憧れのアイドルが座ったわけですから、とても印象に残っているんです。
アイドル出身の方って、なかなかあのような二次会までは来て下さらない方が多いのに、帰らずに残ってくださって、さらには私のような一般人にまで気を使ってくださって、とても素敵な方だと思いました。
大西:
思い出しました。その方と私が夫婦役だった作品ですね。前の事務所にいた頃で、私にとって一番大変な時期でした。すぐに思い出せなくてすみません。大崎:
いえいえ、私も、当時はまだ専務でしたからね(笑)
ところで、結花さんと言えばやはり「スケ番刑事」の風間三姉妹の印象が強いですが、デビュー作は、『家族の晩餐』じゃなかったですか? たしか、学年トップの成績でありながら裏番長的な役柄だったはず。大西:
よく御存じですねぇ。1984年のドラマデビュー作です。大崎:
その後の映画「台風クラブ」も大好きな作品で、ビデオで何度も見ました。こちらでも優等生の役でしたよね。当時の実際の結花さんって、どんな女の子だったんですか?大西:
風間三姉妹では、長女の役だったのですが、実生活では次女ですし、回ってくる役柄とは違いましたね。でも、スケ番刑事という作品に出会えて本当に良かったと思っています。私にとって代表作ですから。大崎:
ところで、当時のアイドルの皆さんって「なりたくてなった人」と、誰かが勝手に応募をしたりして「偶然なってしまった人」がいたと思うんですが、結花さんはどちらだったんですか?大西:
私の場合は、なりたくてなったタイプです。小さな頃からアイドルに憧れていて、関西のミスコンに自分から応募をして、そこで準優勝をし、全国でも2位になって、そしてスカウトされてって言う感じです。大崎:
王道を行っていますねぇ(笑)。
「アイドルって、眠る時間がない」って聞きますが、本当にそうだったのですか。大西:
全盛期には、睡眠時間1時間とかありました。私の場合には、睡眠不足が一切顔に出ないんですよ。そういう面では、この世界に向いていますね(笑)大崎:
芸能界の優等生じゃないですか(笑)
実は、知り合いの芸能関係者に「大西結花さんってどんな人」ってお聴きしたことがあるんですが「敵のいない子だよ」っておっしゃっていました。こうしてお話をさせていただいて、なぜだかが分かりました。ご苦労をなさった時期があったことも存じ上げておりますが、他を批判する発言を一切なさらない。だから、とても気持ちよく対談できています。芸能界は縦社会で「先輩から怒られた」なんてことを聞いたりしますが、結花さんの場合にはそんな経験はなさすそうですね?大西:
ありますよぉ。若い頃なんて怒られっぱなしでした(笑)
特に、時代劇に出た時なんか、着物の捌き方から剣の持ち方まで、全く分からなかったですから。上下を逆に持ってしまったりして
「お前、いったい何考えているんだ」なんて言われたりしました。
でも私、周りに恵まれているんですよ。厳しく言われながらも、暖かく育てていただいたって感じです。大崎:
それをお聴きして安心しました。私も、ブティックオーサキにいきなり入ったわけではなくて、最初は百貨店に勤めていたんですけれど、その時の上司や先輩には厳しく鍛えらた経験が今でも生きています。新人時代に鍛えられたからこそ、今の大西結花さんがあるんですね。
さて、今回こちらのブティックオーサキの本店にて対談をしているのには、理由があるんです。長年弊社の靴を愛して下さっている結花さんにプレゼントがあるんですよ。
1984年にドラマには出ていらっしゃいますが、アイドルとしてのデビューは確か85年組でしたよね。
ということで、ちょっとばかりフライイングでではありますが「芸能生活30周年。おめでとうございます」こちらをプレゼントいたします。大西:
うわぁ どうしましょう。靴をプレゼントされるのって女性にとって格別の喜びです。しかも、2足も!!
大切に履かせていただきます。大崎:
そちらの中敷ですが、現存あと数枚の「当時のエンブレム」が入った特注品なんです。喜んでいただけて何よりです。
お話は尽きないのですが、実は、結花さんに観ていただきたい物があるんですよ。オフィスの私の部屋に置いてありますから、そちらをご覧いただきながら続きのお話をいたしましょう。
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大西:

うわ、凄いですねぇ。うちの事務所にも、こんなに沢山の種類はないですよ。。。 懐かしいぃ。そして、ちょっと恥ずかしいぃ。
みんな若かったなぁ。。。
あっ、こちらのテレカの写真は覚えています。たしかLPのジャケットと同じはずですよ。
大崎:
テレホンカードの収集は、結花さんのデビュー前後に大ブレイクしています。専門店のみならず、全国のデパートでも売られていたぐらいです。各地・各ジャンルの「テレカ大賞」もありました。結花さんのものはとても人気があって、100種類以上あるはずですよぉ。当然のように89年に関西方面でのテレカ大賞を受賞しています。偶然かもしれませんが、スケ番刑事役の斉藤由貴さん、南野陽子さん、結花さんの大親友でいらっしゃる西村知美さんも受賞をしています。大西:
そうなんですか? 周りは騒いでいた気はしますが、意外と本人はピンとこないものなんですよ。
それにしても、こんなに持っていらっしゃるとは。大崎:
まだあったんですけれど、ここに乗りきらないので、結花さんにご覧いただきたいものを選んで持ってきました。大西:
へぇ。。。 こんなのにも出ていたんだぁ。覚えていないのも沢山ありますねぇ。当時は、とにかくスケジュールに追われていて「この写真が何に使われるのか」なんて分からないまま撮影されていることが多かったです。きっと、事務所には届いていたんでしょうが、事務所に立ち寄る時間さえありませんでしたから。大崎:
なるほどぉ、そうでしょうねぇ。
当時、多く雑誌の表紙を飾った方と言えば、何と言っても山口百恵さんや松田聖子さんなどですが、取り上げられた雑誌の種類の多さで言えば、結花さんの方が多いと思います。私が選ぶ「昭和から平成の雑誌表紙女王」です。大西:
ありがとうございます。大崎社長は、本当にすごいコレクターなんですね。私の物ばかりでなく、こちらにはプロ野球の選手のユニフォームやメルモちゃんの原画が飾られていたり、何でも持っているって感じですね。大崎:
いえいえ、さすがに興味のない物は集めたりしませんよ。雑誌には、こだわりがあるので色々な方の物を集めたりしますが、写真集は集めませんから。大西:
それは、どうしてですか?大崎:
『待夢摩神』にも書きましたが、写真集は、お金を出しさえすれば、それこそ自費でも出すことができるじゃないですか。でも、雑誌の表紙は、どんなに出たくても先方からオファーがなければ出せない。そういう意味で、とても価値があるんです。特に結花さんは、GOROには数回登場していますよね。このようなA級雑誌から、発行部数の少ない専門誌に至るまで出ているってところが凄いんですよ。大西:
そうなんですかぁ。当時は、言われたお仕事を一生懸命にこなすだけで精一杯だったので。。。
そういうのって、かえってファンの皆様の方がよくご存じなんですよね。大崎:
雑誌の表紙って、男性目線なんですよ。中身なんか見ないで、表紙だけで買ってしまうこともあるぐらいですから。実際、表紙が誰かによって売り上げがずいぶん変わったみたいですよ。
ところで、これだけの雑誌がありますけれど、ご本人が「表紙ベスト3」を選ぶとしたらどれですか?
大西:
色々なカメラマンさんとの想い出もありますから、これが一番と言うのを私自身は決められないですね。
逆に、大崎社長が選ぶとしたら、どれなんですか?大崎:
私は、何と言ってもこの「テレコレ」ですね。この後姿と横顔。そして光の当て方といい傑作です。
正面を向いた写真なら、このオリコンですね。こちらの表紙にサインをしていただけますか?大西:
いやぁ それは、もったいないですよ。当時の私がサインをしたものなら別ですが、こんな貴重なコレクションに今の私がサインをするなんて。。。 価値が落ちちゃうじゃないですか。大崎:
価値が落ちるなんてことはありませんよ。サインは「いつ、どんな状況で書かれたか」が大切ですから、こうして対談の記念に書いていただいたってことで、かえって価値を上げます。大西:
そういうものなんですか? 奥が深いですねぇ。
でも、やっぱりもったいないのでどれか一冊にしましょう。
う~んと、ではこちらにしましょうか。7月6日は私の誕生日ですから、このオリコンにしましょう。
(昭和62年7月6日号のオリコン。写真が隠れないようにサインをしてくださいました)
大崎:
最高です。一生の記念ですよ。大切にします。
さて、最近の結花さんの活動は、場所を変えて食事でもしながらじっくりお聞きしたいんですけどいかがでしょうか。
確か、結花さんは和食がお好きでしたよね。お寿司屋さんでありながら、ネタの冷蔵ケースがカウンターにない、ちょっと変わったお店にお連れしたいのですが。大西:
恐れ入ります。大崎:
F1ドライバーのことや、温泉ソムリエのお話を是非お聞かせください。 -
大崎:

本日は、対談お疲れ様でした。先ずは、乾杯をしましょう。大崎:大西:
乾杯!大西:
こちらこそ、本当に、ありがとうございました。
大好きな、それも貴重なエンブレムの入った靴のプレゼントをいただいたり、貴重なコレクションをみせていただいたりして、本当に楽しい一日でした。大崎:
そんな風に言ってもらえると、こちらも嬉しいですよ。
お食事をしながら、今の大西結花さんについてお聞きしたいんですけれど、良いですか?大西:
もちろんです。大崎:
結花さんは、F1のA級ライセンスをお持ちですよね。なぜ、F1のライセンスを取得しようと思ったんですか?大西:
レースで競争をして誰かに勝ちたいとかいうのではないんですよ。制限スピードを気にしないで走れるのが良いかなって。大崎:
アウトバーンとか、そういうところで走りたいってことですね。おいくつの時に運転免許をとられたんですか?大西:
18歳の時です。普段はマネージャーが運転をしてくれていたんですけれど、オフの時には運転をしても良いよってことになっていました。大崎:
18歳の時から、将来はF1のライセンスを獲ろうと思っていたんですか?大西:
いえいえ、最初は、高速道路に乗ることも怖かったぐらいですよ(笑)
でも、運転しているうちに慣れてきてある時こう思ったんですよ
「メーターは180km/hぐらいまであるのに、なんでちょっとスピードを出すとキンコン・キンコンっていうんだろうって」(笑)大崎:
「制限速度を気にしないで走るためには、F1」ということですか。すごいですねえ。ところで、ライセンスを取得するには、どんなことをするんですか?大西:
A級の前に、B級を取得しないといけないんですが「レースをして勝つ」と言うのではないんです。講義を受けた後で、実地試験があるんですけれど、コースに設置してあるパイロンに触ったり、ミスコースをしないで、いかに短時間で回ってくるかで決まるんです。大崎:
そうなんですか。私は「レースの上位何名かが合格」とかだと思っていました。大西:
A級も、基本的には「運転の正確さ」を調べるものですね。サーキット場で出される指示をちゃんと守って運転を出来ているかを観られるんです。車の持ち込みもOKなんですが、極端な話、1000ccのオートマでも指示通り走ることが出来れば合格するんです。大崎:
冷静に状況を観ながら、ルールを守って運転できることが求められているんですね。
結花さんは、他にも色々な資格を持っていらっしゃいますけれど、温泉ソムリエってのが気になりました。
正直言うと「そんな資格があるんだ」って感じですが。。。大西:
ここ10年ぐらいの間にできた資格ですから知名度はまだまだかもしれませんね。 ただ、この資格のお蔭で、温泉めぐりのお仕事を戴けたりしていますから、私にとっては役に立っていますよ(笑)。大崎:
この他にもハーバルセラピストの資格ももっていらっしゃる。結花さんは、本当に勉強熱心なんですね。大西:
ありがとうございます。興味を持つと熱中しちゃうんですよね。
ただし、大崎社長のコレクター魂には負けますけど(笑)大崎:
そんな風に言ってもらえると嬉しいなぁ。
ところで、当時のアイドルの皆さんとは、今でも交遊はあるんですか?大西:
あの頃の皆とは本当に仲が良いですよ。特に、西村知美ちゃんとはとても親しくしています。大崎:
そうですか。今回こうして結花さんと親しくなれたことで、私の夢が広がりました。
実は、来年・2015年は、昭和90年にあたるんですが「昭和の平等コレクター」の私としては、それを記念した何かをしたいなと思っているんです。それには、昭和に活躍していらした皆さんの力が必要なんです。
結花さん、その時には是非協力をして下さいね。
大西:
もちろんです。(終わり)








