櫻井プロ、石川さん × 社長対談
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大崎:
今回の社長対談は、平成生まれで初めて、それもお二人の方へのインタビュー。ゴルフの櫻井勝之プロ、そして、歌手の石川えりなさんです。櫻井:石川:
こんにちは、本日は宜しくお願いします。大崎:
石川さんが平成2年8月13日生まれ、櫻井プロが平成3年1月2日生まれということで、全くの同学年。どんな対談になるかワクワクしています。
先ずは、私からお二人に質問をしますので、お手元のメモに答えを書いてください。
では、第一問。櫻井プロはゴルフを始めた年齢、石川さんは本格的に歌を始めた年齢をお書きください。
櫻井:
私は、小学校5年生です。父親の影響で始めたのですが、その頃は野球をやっていまして、どちらかいうとそちらの方が好きでした。大崎:
そうなんですか。お父様は、何とおっしゃっていたんですか?櫻井:
好きなことをさせてくれる両親で、特に「将来、プロゴルファーになりなさい」などとは言われませんでした。大崎:
なるほど。石川さんは18歳?石川:
歌を本格的に学び始めたのは専門学校に入学した18歳です。9歳からヒップホップダンスを踊っていたのですが、そのご縁で11歳の時にミュージカルに出演したのが音楽の道に進むきっかけでした。大崎:
今までのお仕事の中で、一番感動したことは何ですか。
石川:
2013年9月4日に日本クラウンより『つぶやき』という曲でデビューをさせていただいたのですが、何とその日に、NHKの全国放送のラジオ番組に生出演をさせていただきました。本当に嬉しかったです。大崎:
それはすごいことですね。これだけ恵まれたスタートをきれる歌手は、なかなかいないんじゃないですか。
そして、櫻井プロは、日本アマチュアゴルフ選手権の時ですか。
櫻井:
50cmのパットを沈めた後、あるファンの方が近づいて来てくれてハグをして下さったんです。思わず涙がこぼれました。大崎:
お二人ともファンや、スタッフなど多くの皆様に応援をしてもらえるお仕事ですよね。社長業は、どんなに頑張っても拍手をしてもらえるお仕事ではないので羨ましいです。
さて、お二人とも、それぞれのプロの世界にいるわけですが。その中で厳しさを感じたことはありますか?
石川:
負けず嫌いなので、上手くできなかった時などは、自分自身への悔しさや甘さを感じます。お仕事への意識の高い尊敬する先輩に囲まれているので、「もっとこうなりたい」という理想はあるのですが、そこに至っていない焦燥感があります。櫻井:
ゴルフは結果しかないので、結果が出ない時には練習をするしかないんです。「できない自分とどう向き合うか」ですね。引きずった時には成功はないです。大崎:
確かにどんな分野でも、意識を切り替えられる人は、強いですね。芸能の世界も、プロスポーツの世界も、上下関係が厳しいいわゆる縦社会ですよね。若いお二人にとってやりづらさはないですか?石川:
やりづらさは全く感じていません。事務所の先輩である大西結花さんや石井明美さんには、日常の礼儀などを教えていただいたりして、本当に大切にしていただいています。櫻井:
ゴルフの世界も年齢による上下関係はありますが、「試合になったら敵なので、気を使わなくても良い」と、先輩からは言われています。大崎:
ゴルフ中継を見ている時に、時々選手同士が和やかにお話をしているのを見かけますが、あれは何をお話ししているのですか?櫻井:
プレー中は、アドバイスをもらったりすることはルール違反なので、ゴルフとは関係ない雑談ですね。趣味のこととか、食事のこととか。写真
Art&Photo LaCOCOKA(ラココカ・アート)
菊池廣高
松井理恵 -
大崎:
お二人にとって、目標となる人物はどなたですか?石川:
私は、山口百恵さんです。父が大ファンだったので、幼いころからコンサートのビデオなどを見て育ちました。思わず「百恵ちゃん」と言ってしまうぐらい、尊敬とともに親しみも感じています。大崎:
百恵さんは、その存在感もさることながら、沢山の名曲を歌っていますからね。石川:
「いい日旅立ち」「コスモス」など素敵な曲ばかりです。ただ、歌うとなると本当に難しいんです。「謝肉祭」や「青い果実」は、特に。。。
大崎:
そうですか。櫻井プロは、ブレンダン・ジョーンズ、フィル・ミケルソンですか。櫻井:
日本にも、素晴らしいプロゴルファーの先輩がたくさんおりますが、今はこのお二人が目標です。大崎:
そういえば、櫻井プロはドライバーの飛距離が凄いそうですね。聴くところによると310 ヤードとか。これって石川遼プロよりも飛ばしているってことですよね。
櫻井:
ありがとうございます。彼のように日本で賞金王をとり、さらにはアメリカのPGAツアーで優勝をしてその座に長くいる事が大きな目標です。いずれにしても、みんなに愛されるプロゴルファーになりたいですね。大崎:
靴屋の社長の立場から言わせていただけば、タイトルや賞金よりも「みんなに愛される」というのが一番難しいかもしれません。さて、石川えりなさんもプロゴルファーと同じように全国を回るっていると思いますが、どんな印象ですか?
石川:
今年の初め、ミュージカルで全国18か所を回り、姫路が千秋楽でした。毎日、目の前のことに全力投球という状況で、プレッシャーを感じるゆとりもなかったです。大崎:
やっぱり、それぞれの土地柄を感じますか?石川:
はい。日本の中も、もちろんありますが、一番感じたのは博品館で韓国のオリジナルミュージカルの主演をさせていただいた時です。韓国の方の爆発的な感情の表現は、日本にはないものだと思いました。大崎:
先日、コンサートにお邪魔させていただときにも堂々と歌っていらっしゃいましたが、緊張したりしないのですか?石川:
当然します。ただ「この緊張感が自分は好きなんだ」と思うようにしています。失敗のことを考えると、余計に緊張しちゃいますから。自分の中では120%を出すぐらいの気持ちでないと、100%にはならないんです。
大崎:
なるほど。先輩からのアドバイスで一番印象に残っているものはありますか?石川:
「私は、反省はするけれど後悔はしない」という言葉です。どんなに努力をしても不十分な点は出てきます。そんな時に「何が足りなかったんだろう」と振り返ることはしても、悔しさを引きずらないように、私も心がけています。大崎:
これって、ゴルフにも通じますね。櫻井:
あからさまに凡ミスをしてしまうこともありますが、そんな時には「日本中の誰よりも練習してやる」と心に誓っています。緊張を楽しめる人でないとゴルフの世界にはいられませんね。 -
大崎:

ここからは、食事をしながら氣楽に行きましょう。これまでは、私の方から質問をしてきましたが、立場を変えてお二人から私への質問にお答えしようと思います。
櫻井:
社長という立場にいらっしゃると沢山の方とお話しをする機会があると思いますが、大崎社長がお話しをする際に大切にしていることがあったら教えていただけますか。大崎:
出来る限り同じ目線なるように心掛けています。例えば、今回のように若い方がいらした時には、若い人が答えやすい質問をしてみたり、なんとなく分かっている事でもあえて聞いてみたりします。それから、逃げ道をつくっておくことは、常に意識をしていますね。櫻井:
なるほど、逃げ道ですか。私もプロになって多くの方とお話しをする機会が増えたので、意識をしてみます。石川:
私からも良いですか。大崎社長の座右の銘を教えてください。大崎:
こういう質問に「根性」とか「初志貫徹」のような言葉を語る方が多いのでしょうが、私は敢えて「優柔不断」としておきます。石川:
「優柔不断」ですか!?大崎:
一般的にはネガティブなイメージで使われる言葉ですけど、この言葉の裏にある自由さが好きなんです。例えば、ランチに行く時に「今日は、絶対にパスタを食べよう」と心に決めていったのに、隣の人のオーダーを観た瞬間に「あっ、ピザだな」なんて変えてしまえた方が人生は楽しいじゃないですか。色々な面で余裕がないとこういう変化は出来ない。意志を貫く「頑固一徹」も、勿論大切かも知れませんが、あえて「優柔不断」でいくのも有だと思うんです。
石川:
深いですねぇ櫻井:
では、私からもう一ついいですか。人生にはやはり浮き沈みがあると思うんですが、悪い状態になってしまった時の「良くなる切っ掛け」って何かありますか?大崎:
私も、仕事上で大きな失敗をしたことがありました。その時には、真夏なのに厚手のコートを着ているような息苦しさがありました。混乱しすぎると、悩んでいる内容を自分自身が分からなくなってしまうことがあるんです。そんな時には、紙を一枚用意して
「何故、こんなに落ち込んでいるのか」の理由を5 つ以上書くようにしています。
すると
「この件は、明日あの人に電話すれば解決するな」とかアイデアも湧いてくるんです。櫻井:
とても、参考になります。早速やってみます。大崎:
書き上げた、最後の一つの項目が消えるころには、元の明るい自分に戻っています。では、社長対談の締めくくりとして私からお二人に質問をさせてください。
私は、「昭和の平等コレクター」という肩書で、色々なジャンルの昭和の名品を集めたりしているのですが、平成生まれのお二人にとって、昭和というとどんなイメージがありますか?
石川:
丁寧な印象があります。歌の世界でも、ひとつひとつ本物を創り上げていったという感じがしています。百恵さんの名曲を色々な方がカバーしていますが、やっぱり百恵さんが歌うオリジナルには敵わない。平成のヒット曲にそれほどの存在感があるかというと思いつきません。櫻井:
昭和から新しい日本が始まったと思っています。戦争で色々な物を失って、そこから這い上がった昭和があるからこそ、平成があると感じています。大崎:
昭和64 年までに物づくりやサービスの基礎は出来上がったという感じが私もしています。例えば、平成の大発明は「携帯電話」だと思っていますが、その基礎は既に昭和にありましたしね。芸能の世界も昭和に培ったノウハウが平成に生かされている。いやぁ、平成のお二人ともこうして昭和のことを語れれることが実に楽しい。
今回の対談は、お二人のお蔭でこれまでにない物になりました。
どうもありがとうございました。(おわり)








